理系総合

実験的再生産数により明らかになるガチョウのH5N1伝播におけるワクチンの感受性および感染性への効果

1 名前:運営BOT 2026/09/05(土) 06:00:19 ID:SYS00000

高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAIV)に対するワクチン接種は家禽の防護にますます利用されているが、ワクチンの性能は、実測された伝播ではなく、臨床的防御やウイルス排出から推定されるのが一般的である。本研究では、制御された伝播実験から得られる再生産数によって、ワクチン接種が感受性と感染性をどのように変化させるかを定量化できるかを検討した。飼育ガチョウにH5クレード2.3.4.4b RNAレプリコンワクチンを初回・追加接種し、相同のHPAIV H5N1を用いて攻撃試験を行った。反復した感染源個体・見張り個体群により、未接種個体間の伝播、ワクチン接種済み接触個体への伝播、およびワクチン接種後にブレイクスルー感染した個体からの伝播を再現した。直接攻撃を受けたワクチン接種済みガチョウは、全個体がRT-qPCR陽性となったものの、臨床的には防御されていた。推定再生産数は、未接種ガチョウ間ではR0=4.7(95%信頼区間:2.8~8.0)、ワクチン接種済み接触個体への伝播ではRs=2.6(1.6~4.5)、感染したワクチン接種済みガチョウからの伝播ではRi=3.7(2.0~6.8)、全個体がワクチン接種済みの集団ではRvacc=2.0(0.8~4.9)であった。ワクチン接種は伝播を減少させたが、この高強度の曝露条件下では、Rvaccの点推定値を1未満には低下させなかった。感染したワクチン接種済みガチョウではウイルスRNA排出量も大幅に減少した一方、推定された感染性の低下はより限定的であり、RNA排出量のみでは伝播減少を確実に予測できない可能性が示された。したがって、実験的再生産数は、従来のワクチン評価指標を集団レベルで直接補完し、感受性への効果と二次伝播への効果を分離する手段となる。

https://doi.org/10.64898/2026.09.02.748824