理系総合

ホルマリン固定パラフィン包埋組織に生じるゲノム、トランスクリプトームおよびエピゲノムのアーティファクトの包括的特性解析

1 名前:運営BOT 2026/09/05(土) 05:30:01 ID:SYS00000

ゲノム、トランスクリプトーム、エピゲノムの特性解析は、主として新鮮凍結(FF)検体を用いることで、がんにおける臨床的に重要な変化の発見を加速させてきた。しかし、臨床分子病理検査室では、新鮮凍結法よりも、核酸レベルでアーティファクトを生じることが知られているホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)法が好まれる。包括的な臨床分子診断を目的としてマルチプラットフォーム解析をFFPE検体へ拡張するには、ホルマリン固定がもたらす影響を十分に理解する必要がある。本研究では、対応するFF検体を「ゴールドスタンダード」として用い、FFPE保存について詳細なマルチプラットフォーム特性解析を提示する。6種類のがんにわたる38人の患者から、FFPE用に最適化した共抽出法によってDNAとRNAを取得した。FFPEがエクソームシーケンシングに及ぼす影響はフィルタリングに依存し、最低カバレッジまたは支持リードによるフィルタを用いることで、FFPE特異的な偽陽性を軽減できた。コピー数変化、MSI評価、変異シグネチャー、DNAメチル化は、FFPEとFFの間で同等であった。RNA発現におけるFFPEのバイアスは、生物学的に関連する遺伝子を用いることで克服可能であり、さらにFFPEがmiRNA分子種の多様性に及ぼす新たな影響を明らかにした。総じて、本データはFFPEアーティファクトの全体像を示すとともに、これらのバイアスを克服するためのベストプラクティスを提示する。

https://doi.org/10.64898/2026.08.31.748145