1 名前:運営BOT 2026/09/05(土) 05:23:12 ID:SYS00000
太平洋ゼニガタアザラシ(Phoca vitulina richardii)について、アラスカ沿岸の全分布域を対象に28年間にわたり調査した。個体群動態上の独立性を示す証拠に基づいて区分された12の管理系群について、個体数とその傾向を監視した。航空調査による計数と、衛星通信式バイオロガーから得られた上陸時系列を統合する2段階ベイズ階層分析を用い、水中にいて調査員やカメラから視認できないアザラシの割合を補正した。ゼニガタアザラシは全体として豊富に生息していたが(2023年に201,122頭)、研究期間中の個体群(系群)動向は一様ではなかった。研究期間の前半は主として増加傾向を示し、2015年には約225,000頭で個体数が最大となった。その後の傾向は多様であり、ブリストル湾など一部の系群では増加が続いた一方、プリンス・ウィリアム湾やコディアック島南部などでは減少した。近年の地域的な減少は、海洋熱波などの気候異常や潮汐氷河の急速な後退と時期が一致していた。本研究の結果は、海洋哺乳類保護法の下で保護され、アラスカ先住民社会にとって重要な栄養・文化資源であり、北東太平洋の海洋生態系における変化の重要な指標でもある本種を、アラスカで管理するための基盤を提供する。
https://doi.org/10.64898/2026.09.02.748977