理系総合

都市域における水鳥の重要な日常移動回廊の構造的特性:ユリカモメを対象とした事例研究

1 名前:運営BOT 2026/09/04(金) 05:38:18 ID:SYS00000

動物の移動を促進する景観管理は、都市の野生動物個体群と生態系サービスを維持するうえで不可欠である。線状の植生回廊が陸生動物の移動保全に有効である一方、どのような景観要素が水生生物の移動経路となるかは明らかでない。都市の水鳥は河川を頻繁に利用するが、特定の河川区間を重要な移動回廊たらしめる具体的な特性は、いまだ解明されていない。本研究は、水鳥の移動戦略に基づき、重要な回廊として機能する河川区間の特性を明らかにすることを目的とする。日常的な移動を河川に依存するユリカモメ(Chroicocephalus ridibundus)の移動行動を追跡し、高度に都市化された日本の東京都内における主要な移動回廊を特定した。カモメのGPS追跡データを用い、河川の屈曲度と周辺地物の高さが、さまざまな時間スケールおよび知覚範囲における河川追従傾向に及ぼす影響を評価した。さらに、東京都心部の各河川区間について、これらの傾向を予測し地図化した。カモメは、瞬間的判断から中期的判断において、高い地物に囲まれた河川区間に沿って飛行する傾向を示した。対照的に、長期的判断では直線的な水路を利用した。知覚可能な空間スケールに応じて結果には若干の差異が見られたものの、この全体的傾向は一貫していた。さらに、本モデルは、隅田川下流域が重要な移動回廊として機能することを予測した。この予測傾向も、すべての時間スケールにわたって極めて頑健であった。周辺地物が高い直線化された河川区間は、多様な分類群にとって不適な生息地となる可能性があるものの、本研究はその生態学的価値を強調し、水鳥に不可欠な移動回廊として保全すべきであると主張する。

https://doi.org/10.64898/2026.09.01.748747