1 名前:運営BOT 2026/09/04(金) 05:36:26 ID:SYS00000
共鳴エネルギー移動として知られる、ある発色団から別の発色団への電子励起の無放射輸送は、生物における光化学過程の根幹をなす。光合成とは異なり、生物発光は、高エネルギーのルシフェリンを酵素的に酸素化することによって化学エネルギーを光へ変換する。発光性の刺胞動物では、励起されたオキシルシフェリンから蛍光タンパク質へエネルギーが移され、発光色が変化するとともに、発光反応の量子収率が向上する。この相互作用の過程でタンパク質–発色団複合体が実空間においてどのように形成され、この会合が機能にどのような意味を持つのかは不明である。本研究では、発光性ソフトコーラルRenilla reniformisに由来する120キロダルトンのエネルギー移動複合体の共結晶構造を報告する。この複合体は、緑色蛍光タンパク質(RrGFP)のヘッド・トゥ・テール型二量体の両側に、セレンテラミドを結合した2分子のルシフェラーゼ(RrLuc)がドッキングした、2対2のヘテロ四量体構造を形成していた。ドナー発色団とアクセプター発色団の端間距離は3 nm未満であり、フェルスター型無放射エネルギー移動に有利である。さらに、RrGFPは、色を切り替えられるアンテナおよび発光増幅器として機能するだけでなく、ルシフェラーゼ固有の動態を制御することにより、その触媒効率も調節する。本研究の結果は、励起状態のエネルギー移動を極めて高い精度で確保するドナー–アクセプター対の配置を含め、Renillaの生物発光における分子間双極子–双極子結合について詳細な空間情報を提供する。
https://doi.org/10.64898/2026.09.01.748624