背景 標的抗菌プラスミド(TAPs)は、細菌の接合(conjugation)を用いて、特定の標的菌株に対する選択的CRISPR/Cas9抗菌活性を送達するように設計された、移動性の遺伝要素である。しかしTAPsの効率は典型的に単一の時点で評価されるのに対し、TAP媒介の再感受化の成否は、プラスミド移入のダイナミクスと、細菌の亜集団間の複雑な相互作用に決定的に依存する。本研究は、従来の抗菌薬で用いられるのと類似の解析枠組みを用いて、亜集団レベルでの接合ベース抗菌アプローチの効率を評価する最初の研究である。ここでは、TAPF-dCas9-OXA48における再感受化を制限するのがどの過程かを、プラスミド送達、dCas9活性、あるいは耐性(refractory)および逃避(escape)集団の出現のいずれにあるのか、という観点から検討する。
方法 5つの相互作用する亜集団(供与体、受容体、接合移入体、逃避体、拒否体)からなる機構モデルを44の縦断的接合実験に適合させ、適合モデルを用いて、生物学的に関連する一連のシナリオを探索した。
結果 24時間にわたる縦断的接合データを用いることで、受容体の最大24%が24時間以内に拒否体となり、その後の接合(侵入排除による)に対して耐性化することを示した。一方で、二次的な接合移入体の出現は0.01%未満にとどまった。全体としての再感受化効率は最大80%に達した。
結論 したがって、dCas9の抑制というよりもプラスミド移入が、TAPF-dCas9-OXA48の効率を制限する主たるボトルネックである可能性が高い。これらの結果は、将来のTAPsの性能向上に向けた主要な工学的ターゲットとして、プラスミド送達を特定するものである。
https://doi.org/10.64898/2026.09.01.748484