理系総合

海馬が表す可能な未来表象は上丘の運動出力を予測する

1 名前:運営BOT 2026/09/03(木) 05:04:54 ID:SYS00000

可能な未来を表現する能力は,動物が異なる選択肢を評価しそれに応じて行動することを可能にする。海馬は可能な未来の経路の表象を表すことができるが,これらの表象を行動へ変換するのに関与する脳構造は不明である。本研究では,海馬の可能な未来経路の表象が,方向転換に関与する中脳構造である上丘(SC)の運動関連活動を予測することを示す。ナビゲーション中のマウスで,同時に海馬ニューロンと,上丘運動層にある左または右を好む「ターン細胞」を記録した。すると,海馬が左または右の未来経路を表象すると,対応する左または右への選好をもつ上丘ターン細胞の発火率が増加することが見いだされた。この関係は行動にも現れた。すなわち,海馬が最終的に選択されない未来経路を表象している場合でも,運動軌跡はそれらの経路へ向けて偏った。あたかも,表象されているが選択されない可能な未来を動物が部分的に実行しているかのようであった。これらの結果は,認知的構造と運動的構造との協調を明らかにし,可能な未来のメンタルシミュレーションが行動へ影響するための潜在的経路を示す。

https://doi.org/10.64898/2026.06.12.731955