理系総合

アルツハイマー病における知覚的気づきの研究:多様なモダリティによる検討

1 名前:運営BOT 2026/09/02(水) 05:26:09 ID:SYS00000

アルツハイマー病(AD)の進行に伴う認知および機能的欠損の時系列について広範な知見があるにもかかわらず、神経変性が患者の意識経験に及ぼす影響は未だ十分に解明されていない。特に知覚的気づきのような意識内容がADの進行に伴ってどのように変化するのかを理解することは、意味のあるパーソン・センタードなケアを可能にするために重要である。これは、重度ADでは言語や他の認知領域の障害により本人が経験を報告できないため、とりわけ重要になる。本研究では、「報告なし」パラダイム2つを用いて、健常な高齢者で記述されている知覚的気づきの電気生理(EEG)およびfMRIの特徴が、軽度〜中等度ADと重度ADの人々においてもみられるかを検討した。まず、視覚マスキング・パラダイムにより、顔の意識的知覚に特徴的に関連づけられる電気生理学的反応として、視覚気づき陰性(VAN)および後期陽性(LP)を、ならびに視覚皮質および前頭-頭頂領域の賦活を調べた。次に、複雑な聴覚-視覚(ムービー)課題によって、知覚的気づきに先行研究で関連づけられてきた前頭-頭頂ネットワークの賦活を検討した。健常な高齢対照では、EEGとfMRIの両モダリティにおいて、VANおよびLPの指標とともに、広範な後頭葉、紡錘状回顔領域、前頭-頭頂の賦活を伴う、気づきに特徴的な皮質応答が確認された。軽度〜中等度ADの人々では、VANおよびLPの指標に有意な低下がみられ、前頭-頭頂の賦活も低下していた。行動学的に最小限の反応しか示さない重度ADの参加者では、知覚的気づきの前頭-頭頂指標が存在することを示す限定的な証拠しか得られなかったが、これは進行した認知症の人々における注意と課題への感度の低さを反映している可能性がある。これらの結果は、知覚的気づきに関連する脳内メカニズムが、ADの進行とともにますます障害されることを示す。具体的には、前頭-頭頂ネットワークの関与がADで低下しており、これは高次の気づきの低下を反映しているかもしれない。以上よりADは意識障害として考えるべきであり、治療および認知症患者のマネジメントへの含意を持ちつつ、疾患によって影響を受ける意識の次元についてさらなる検討を動機づけるべきである。

https://doi.org/10.64898/2026.08.27.26356661