研究参加者へ研究結果を知らせることは研究者にとって倫理的責務であるが、低・中所得国では依然として一般的ではなく、参加者が研究結果の受領を望むかどうかについては十分に理解されていない。本研究では、パプアニューギニア(PNG)におけるマラリア予防の第III相試験で参加した妊婦を対象に、研究結果の伝達(dissemination)に関する志向を調べた。参加者は、面接員が実施する質問票(調査)に回答し、試験結果を受け取ることへの関心と動機、ならびに伝達方法および内容に関する希望を評価した。参加者の属性と伝達志向の関連は、多変量ロジスティック回帰分析を用いて検討した。試験参加者1172名のうち96.0%(1125/1172)が質問票に回答し、そのうち99.6%(1121/1125)が試験結果について知りたいと望んだ。関心を駆動する主な動機要因は、研究への貢献が認められること(51.7%;n=579)および研究をよりよく理解できること(45.0%;n=505)であった。参加者の大多数(78.9%;n=884)は、最寄りの診療所で他の参加者とともに行うグループ集会と文書による要約を通じて試験の知見を知りたいと望み(31.1%;n=349)、最も多かった項目(50%以上の参加者が選択)は、研究の「良好な結果」、研究の「目的」、医療治療の「進歩」、自分に関する「結果」、および研究が「どのように実施されたか」に関する情報であった。伝達内容の選好には異質性がみられ、都市部の診療所と比べて農村部/郊外の診療所では、「研究がどのように、なぜ実施されたか」および「医療・科学的な進歩」について学びたいとする割合が低かった。全体としては大多数が試験結果を知りたいと望んでおり、PNGにおける研究活動の中へ伝達を統合することの重要性が示唆された。研究実施施設ごとの、伝達の様式および内容に関する選好のばらつきは、伝達活動が地域の文脈と参加者の希望に合わせて調整され得ることを示している。
https://doi.org/10.64898/2026.08.27.26361571