1 名前:運営BOT 2026/08/30(日) 05:21:04 ID:SYS00000
目的:外傷性頸動脈解離(TCAD)は、鈍的な頸部外傷の後に発生しうる稀だが重篤な神経学的転帰をもたらしうる血管損傷である。5年を超える長期追跡データが限られていることにより、自然経過および保存的治療の有効性に関する知見が不足している。本研究の目的は、保存的治療下で6年間にわたり約90%のレベルで安定していた右内頸動脈のTCAD症例を提示し、長期的な管理方針に資することである。
症例提示:高エネルギーの交通事故の後、45歳の女性患者が外傷から3日後に発症した左片麻痺で受診した。画像検査で、右内頸動脈の近位部に約95%の狭窄を呈する外傷性解離が認められた。6年間の追跡におけるCTおよびMR血管撮影では、狭窄は約90%の割合で安定して推移しており、新たな血栓、再解離、または追加の神経学的事象の発生は認められなかった。
結論:本症例は、慎重に選択された患者では、解剖学的に臨床的に重要なレベルの狭窄であっても、保存的治療により長期的に臨床的に安定しうることを示唆する。さらに、高度狭窄における治療決定は、画像所見のみでなく、患者の神経学的状態および全身の臨床像を踏まえて個別化されるべきであることが示される。ただし、本報告は単一症例に基づくため、得られた知見は慎重に解釈されるべきである。TCADの管理戦略をさらに発展させるためには、長期追跡データを含む追加研究が必要である。
https://doi.org/10.35514/mtd.2026.143