理系総合

パーキンソン病における歩行適応の基盤となる淡蒼球ベータ振動

1 名前:運営BOT 2026/08/30(日) 05:18:14 ID:SYS00000

背景:歩行適応は、複雑な環境に合わせて歩行パターンを調整するうえで不可欠である。本研究では、パーキンソン病(PD)患者における歩行適応の障害を調べ、歩行適応中の内側淡蒼球(GPi)における振動活動を検討した。PDではGPiのベータ帯活動が上昇することが、運動適応の低下と関連するという仮説を立てた。

方法:GPi深部脳刺激(DBS)を受けたPD患者12名を含めた(両側11名、片側1名)。分割ベルト歩行トレッドミル中に、DBS電極から局所場電位(LFP)を記録した。患者は薬剤オフ、DBSオフの状態で評価した。歩行適応は、分割ベルト歩行中の一歩長非対称性の変化として測定し、変化が小さいほど適応障害が大きいことを示した。

結果:分割ベルト歩行中に、GPiの高ベータ(20-30 Hz)および低ガンマ(30-60 Hz)の振動が変調されることを見出した。アダプターと比較して、非アダプターでは歩行中の運動関連ベータ抑制が低下していた。参加者全体において、速い脚に対側のGPiのベータ活動は適応の大きさと負の相関を示した(Spearmanのrho;-0.65から-0.75)。

結論:PDにおける歩行適応では、GPiの振動が動的に変調される。ベータ活動の増加は、歩行中の感覚運動適応の障害の基盤となり得る。本結果は、PDにおける歩行適応の基底核メカニズムについての新たな洞察を与え、GPiベータ活動の上昇が歩行適応障害の指標となり得ることを示唆する。

https://doi.org/10.64898/2026.08.25.744491